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製品開発

 野生鹿皮は、従来利用出来ないと言われてきました。しかし、日本鹿皮革開発協議会が、野生鹿革利用開発活動により調査した結果、日本鹿皮は資源として価値が高いことが判りました。
 鹿資源の利用・開発と普及に対しては、全国的な立場でのルールの整備と、これらに必要な法的整備に向けて、その環境作りが不可欠と考えています。
 また、行政機関、JAグループ、森林組合などのネットワークの構築に努め、都市と地方の交流、連携によって啓蒙活動をすすめ、鹿に関する情報収集・分析および発信を行っていくことが必要とされています。

日本鹿革のエコレザーによる国つくり

日本鹿皮革開発協議会は、鹿皮利用の復興活動のなかでこれまでにさまざまなエコレザー製品を開発しています。

エコレザー製品とは

整備された工場で生産し、品質管理が徹底した製品のことを言います。有害化学物質の検査を行い、第3者委員会(日本エコレザー)で認定された環境付価を備えた製品であり、生産者の顔が見える安心、安全な製品です。

日本鹿皮革開発協議会のエコレザー製品について

  • 1)日本で最初に認可された日本鹿革エコレザー製品(カルタン吟付革)
  • 2)日本で一番長い歴史を誇る鹿革工場の生産品(藤本安一商店工場)
  • 3)日本で一社だけ生産のエコレザー製品(藤本安一商店工場)
日本鹿革開発製品

インクジェツト方式反応染色革(天然皮革乾式捺染法)

 (株)丸保と連携して、友禅の華やかで鮮明な色彩の天然皮革利用による製品を開発しております。該日本鹿革は、「きもの」染の技術をもとに、革染めの技術を開発し、従来の顔料柄付けの技術に、シルクへの友禅染を天然皮革に行い、高い堅牢性を保ち、「きもの」の表現力を天然皮革で染色したものです。
(特許申請中の品です)。

染色による色柄表現に加え、革の風合いが触感でき、色落ちし難いのが特長です。

加工方法

  • (1)水溶性糊を付着させた転写用紙を作成する。
  • (2)用紙に反応染料インクをインクジェットにてプリントする。
  • (3)乾式転写捺染を行う。皮革に損傷を与えない条件で、温熱処理をする。

特徴

  • (1)色落ち、割れが生じにくく堅牢性は高い(摩擦、耐光)
  • (2)無製版プリントでのクイックデリバリーが可能になります。
  • (3)繊細、鮮明、高品質の図柄が表現出来ます。

野生鹿皮革製品が日本エコレザー基準認定品(JES)第1号として登録

 野生日本鹿(九州産)からのセーム革が、日本で初めてエコレザー(JES)認定品として登場しました。(第三種・平成22年6月1日)
  九州の野生日本鹿から日本エコレザー基準(JES)認定の「カルタンセームは、遊離ホルムアルデヒド検出価16mg/kg以下であり、溶出カルタンセームは、日本エコレザー基準(JES)に認定された重金属に於いても6価クロム、発ガン性染料のいずれも基準値以下であり、幼児に使用しても安全な革です。

日本エコレザー基準(JES)認定セーム革

 野生日本鹿(九州産)からのセーム革が、日本で初めて日本エコレザー基準(JES)認定品として登場しました。(第三種・平成22年6月1日)
 これまでに日本エコレザー基準(JES)認定革としては、 牛、豚、羊、ワニ、サメの革でしたが、今回、鹿革が認定品に加わりました。
これからの鹿革は、環境にやさしく、人体に安全な製品として開発、消費者に提供する事が重要と思われます。

鹿革の特徴

鹿革は、細い繊維が集まって、細い繊維束を形成し、よく絡んでいます。 これが柔軟さ、しなやかさ、耐久性・強さの秘密となっています。

鹿革の特徴

鹿革の繊維 鹿革の繊維(拡大)
  • ① 非常に軽い
  • ② しなやかで、肌触りがよく、よく伸び、柔軟である
  • ③ 強靱で、耐久性がある
  • ④ 保温性・通気性に優れている
  • ⑤ 吸湿性・吸水性・帯電防止性が優れている
  • ⑥ 汚れ取り性や磨き性が優れている(セーム革)

牛革と鹿革の比較

成牛革の断面:
銀面層は細かい繊維が緻密に絡む
肉面層は太い繊維束が大きく絡む
鹿革の断面:
銀面層は細かい繊維がよく解れている→ソフト肉面層は細い繊維束が細かく、よく絡む

セーム革を使った検証

試作した鹿革(セーム革)の特性と安全性の検査をしたところ、磨耗による傷は他の繊維よりも少ないことがわかりました。 セーム革は日本で初めてエコレザー基準(JES)認定品となりました。
→活動報告:エコレザー基準(JES)認定

セーム革で拭いたアクリル板 ティッシュペーパーで拭いたアクリル板

鹿皮革製品展示会

平成22年3月4日、えびの市住民による鹿革製品の展示会がおこなわれました。

野生鹿皮利用開発製品

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