日本鹿皮革開発協議会通信 2020(令和2)年11月27日号
2020年11月27日
本会の丹治藤治会長は、11月27日、衆参両院の議員諸氏に向けて以下のような政策提言を発表いたしました。今後、これまで活動をご支援いただいている議員諸氏を中心に、個別に以下の文書を携えて要請活動を展開していく予定です。(以下、政策提言文書)
ポストコロナ時代を見据え、国づくり・地域おこし対策として
シカの資源利用による健康産業を構築しよう!
〜野生シカと特用家畜シカをセットにした高品質・高付加価値の資源利用を〜
株式会社カルタン代表取締役
日本鹿皮革開発協議会長
全日本養鹿協会創業者
獣医師 丹治藤治
日本鹿皮革開発協議会長
全日本養鹿協会創業者
獣医師 丹治藤治
ニホンシカは日本の歴史とともに歩んできた日本原産の動物で、国民の健康を増進するための健康資源になり得る貴重な国の資産です。しかし、残念ながら長年にわたる国の鳥獣保護政策や森林政策などの失敗によって、近年野生シカの農林業被害等が急速に広がっており、現在不幸にもシカは「害獣」扱いされています。
このシカを今後は中山間地域に宝をもたらす「地域資源」として見直し、全頭・全身の持続的な資源利用を前提とした捕獲政策に舵を切りながら、長期ビジョンを持った実効力のあるシカ対策を推進していくことが求められます。そのことが中山間地域の森林環境や生活環境を守ることにもつながります。
つきましては、下記の方向性により、地域住民を主役にしたシカ資源の管理・利用計画を提案いたします。併せて、衆参両院の議員のみなさんが党派を越えて国としての政策の転換と法整備をすすめられることを期待して止みません。
【請願事項】
1. |
シカ被害が多発する中山間地域の森林区域に野生シカを住み分けさせるための三区(保護区、駆除区、資源利用区)を設定し、シカ資源管理・保護と利用を並行して図っていくこと |
2. |
捕獲対策は野生シカを生体捕獲する方向に転換させていくこと |
3. |
捕獲したシカは全頭資源利用し、ジビエ肉に偏らず、皮や角など全身の利用に向けて研究開発・普及をすすめる。捕獲したシカの皮は全量を鞣して革に仕上げ、幅広く製品化を図るとともに、シカ資源を活かした健康ビジネスの創出に力を入れていくこと |
4. |
持続的な資源利用にあたっては、シカ資源の品質や価値の向上を図っていく必要があり、野生シカのみでなく、特用家畜として養育したシカもセットにして資源利用をすすめていくこと |