鹿被害対策と鹿産物有効利用のセット推進についてえびの市の活動を報告
2010年11月15日
宮崎県えびの市は、鹿産物利用で鹿皮利用から皮(革)肉のセット開発を推進
鹿害の深刻化を背景に鹿と体処理施設の新設、捕獲鹿の肉利用による商品化事業が全国的に広がり、地域毎に独自の取組みにより行われているのが現状です。
えびの市は、平成18年8月から全日本鹿協会の助言指導、平成20年4月から日本鹿皮革開発協議会と連携し鹿皮革利用と製品開発事業を推進してきました。
これまでの事業成果を踏まえて、えびの市は、「きらり輝く山間地域農業活性化プロジクト事業」により本格的に取組みが開始しました。
宮崎県えびの市の鹿産物利用活動は、先ず鹿皮の製品化を重点にして住民主役になり推進組織体制を整備して活動を続けています。
えびの市鹿協会の活動について
えびの市は、有害鳥獣被害による被害が増加する中で防護柵等設置しているものの根本的な解決には繋がっていないことから猟友会員の高齢化や担い手不足を解消し、有害駆除による被害防止対策を継続的に実施する観点から捕獲した鹿を地域資源として捉え、有効利用の推進体制作りを日本鹿皮革開発協議会と5年前から連携して取組んでいます。今年は、製品化のまとめ段階にあります。
1)えびの市の推進体制
えびの市猟友会役員と駆除班員を中心として「えびの市鹿有効利用協議会」(適正な鹿原皮確保共同集荷)とえびの市商工会女性部を中心とした「えびの市鹿産品開発協議会」(鹿皮革商品開発と製造販売)を発足し、両者の連携を図る為、えびに市鹿協会が発足しました。
更に、製品開発・製造販売を加速するため「きらり輝く山間地域農号活性化ブロジクト事業」を活用推進を実施してます。
2)事業実施と波及効果
(1) | 有害駆除した鹿皮革製品を消費者に提供することでえびの市鹿有効利用協議会員(農業担い手)の所得向上に繋がる。又、日本鹿皮革利用は、国産品愛用と自給率向上の一助となる。加えて、鹿被害防止対策の持続的実施が期待されています。 |
(2) | えびの市産鹿セーム革が、日本エコレザー基準品」日本第一号として認定されており、安心安全な素材での製品は、新たな特産品として観光の浮揚につながると考えられています。 |
(3) | エコ製品の普及は、環境負荷低減の一助となると共に、新たな需要の掘り出しに繋がり、地域の活性化及び雇用が図れると考えられています。 |
3)えびの市産業文化祭で鹿革製品公開
えびの市産の野生鹿皮利用による住民創作オリジナル製品(日本エコレザ認定品第Ⅰ号品など約20点)が展示公開されました。日本鹿革製品は、県内外から大きな反響を呼んでいます。(えびの市文化の杜で11月20~21日展示)